不動産は節税の観点からも非常に有効な資産です。法人での不動産保有・社宅制度の活用・減価償却による経費化・不動産投資による損益通算など、不動産を通じた節税手法は多岐にわたります。
ただし、不動産を使った節税は複雑な税務処理が伴い、適切に活用しなければ税務リスクを招く可能性もあります。まつうら総研では、不動産と税務の両面から経営者をサポートしています。このページでは、不動産を活用した主要な節税手法を解説します。
法人で不動産を保有するメリット
法人と個人の税率差を活用
不動産を個人で保有すると、不動産所得に最高55%(所得税+住民税)の累進税率が適用されます。一方、法人で保有すれば、中小企業の実効税率は約23〜34%程度に抑えられます。所得が高い個人事業主・オーナー経営者が不動産を法人名義で保有することで、税率差による節税効果が生まれます。
ただし、個人が所有する不動産を法人に移転するには不動産取得税・登記費用が発生し、売却益に対して所得税が課される場合があります。移転コストと節税効果を慎重に比較検討することが必要です。
減価償却による経費化
建物・建物附属設備は減価償却の対象資産です。法人で不動産を購入すると、建物部分を毎年減価償却費として損金算入できます。特に中古建物は耐用年数が短く、短期間で大きな減価償却費を計上できるため、節税効果が高いとされています。
木造住宅の法定耐用年数は22年ですが、中古の場合は「(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%」で計算される簡便法によって、より短い耐用年数が認められる場合があります。
役員社宅の節税効果
社宅制度の仕組み
法人が賃貸物件を借り上げて役員に社宅として提供することで、住居費の一部を法人の経費として計上できます。役員は法人に対して「一定の賃料(賃料相当額)」を支払うことで、法人が負担する家賃との差額が給与課税を受けずに済みます。
役員社宅の賃料相当額は、建物の床面積・固定資産税評価額などに基づいて計算します(小規模住宅の場合は比較的低い金額になります)。市場家賃の10〜20%程度の賃料を法人に支払うだけで、残りの家賃が法人経費になる場合があります。
不動産投資による節税の注意点
節税目的だけの不動産投資はリスクが高い
不動産投資は、賃料収入による資産形成と減価償却による節税効果の両方が期待できます。しかし、節税目的だけで無理な不動産投資を行うことは非常にリスクが高いです。空室リスク・修繕費・金利負担・不動産価値の下落など、不動産投資に伴うリスクは多岐にわたります。
減価償却期間が終了した後は節税効果がなくなり、その後は家賃収入に対して通常の課税がされます。不動産を売却する際には譲渡所得税が発生します。長期的な視点でトータルの収益性・税負担を計算することが重要です。
不動産の相続・事業承継との連動
不動産は相続税の節税にも活用できます。更地よりも賃貸物件の方が相続税評価額が低くなるため、相続対策として不動産を活用する手法は広く知られています。ただし、2015年の相続税改正以降、基礎控除額が引き下げられており、中規模資産を持つ方でも相続税対策が必要になるケースが増えています。
不動産を使った節税・資産形成・相続対策は、専門的な知識が必要な分野です。まつうら総研では、不動産に関する税務相談から財務戦略の立案まで包括的にサポートしています。