節税の基本中の基本は、事業に関連する費用を漏れなく経費として計上することです。「経費にできるとは知らなかった」という見落としが積み重なると、不必要に多くの税金を納めることになります。経費の見直しだけで年間数十万円の節税効果が生まれることも珍しくありません。
まつうら総研では、経費管理の改善を通じた節税サポートを数多く手がけてきました。このページでは、経費の認定要件・見落としがちな経費項目・正しい経費管理の方法を詳しく解説します。
経費として認められる条件
経費(法人の場合は損金、個人事業主の場合は必要経費)として認められるためには、主に次の条件が必要です。
①事業関連性があること
支出が事業の遂行のために必要なものであることが大前提です。「事業に関係している」という関連性を説明できることが重要です。飲食であれば相手の氏名・関係性・目的を記録しておくことで、事業関連性を証明できます。私的な支出は経費にできません。
②支出の事実があること
実際に支出があったことを証明できることが必要です。領収書・レシート・振込明細などが証拠となります。電子データでの保存も認められており、2022年の電子帳簿保存法改正後はデジタルでの証拠保存が推奨されています。
③金額が適正であること
支出の金額が事業目的に対して過大でないことも重要です。例えば、1回の接待費として数百万円を支出することは、事業規模に照らして過大と判断される可能性があります。一般的な取引の慣行・金額の範囲内であることが求められます。
見落としがちな経費項目
①通信費・インターネット費用
事業用の携帯電話・固定電話・インターネット接続費用は経費になります。プライベートと兼用の場合は事業利用割合で按分します。テレワーク環境整備のためのWi-Fiルーター・ヘッドセット・ウェブカメラなども経費として認められます。
②研修・教育費
事業に関連するセミナー参加費・研修費・資格取得費用は経費になります。業務知識を高めるための書籍・雑誌・オンライン講座なども対象です。ただし、完全に新しい分野のスキルを習得するための費用は、事業関連性が薄いとして否認される可能性があります。
③交通費・出張費
事業のための移動費(電車・バス・タクシー・高速道路料金)は経費になります。出張時の宿泊費・日当(旅費規程がある場合)も経費計上できます。交通費は少額でも積み重なると大きな金額になるため、交通系ICカードの明細やメモで記録を残しましょう。
④接待交際費
取引先との飲食・接待・ゴルフ・贈り物などは接待交際費として経費になります(中小企業は年800万円まで全額損金算入可能)。レシートには相手の氏名・会社名・目的をメモしておきましょう。1人当たり5,000円以下の飲食費は会議費として処理することで、交際費枠の節約にもなります。
⑤新聞・雑誌・書籍代
業界情報・税務知識・経営知識を得るための新聞・雑誌・書籍は経費になります。事業に直接関連するものであれば、電子書籍・定額読み放題サービスの費用も含まれます。
⑥消耗品費
文房具・コピー用紙・プリンターインク・オフィス用品など、10万円未満の少額消耗品は購入時に全額費用計上できます。パソコン・スマートフォンも10万円未満であれば消耗品費として一括費用計上が可能です(中小企業の30万円未満特例も活用可)。
家事按分の考え方
プライベートと事業の混在する費用の扱い
自宅兼事務所の家賃・光熱費・通信費など、プライベートと事業が混在する費用は「家事按分」によって事業利用分のみを経費計上します。按分の根拠は合理的であることが必要で、使用面積・使用時間・使用頻度などを基準にします。
例えば、自宅の事業利用割合が30%であれば、家賃の30%を経費として計上できます。按分割合の根拠を記録に残しておくことで、税務調査でも適切に説明できます。
経費の最大化は節税の基本ですが、架空の経費計上や不合理な按分は脱税行為に該当します。経費として認められる支出を漏れなく、適正に計上することが正しい節税の姿勢です。まつうら総研では、経費管理の適正化と節税効果の最大化を両立するサポートを行っています。