失敗しない開業方法

個人事業主として長く続けるために、開業前に押さえておくべき準備と手順を解説します。

失敗しない開業方法

「独立したい」「自分の事業を始めたい」という思いを持ちながら、なかなか踏み出せない方の多くが心配しているのが「失敗するリスク」です。確かに個人事業の廃業率は決して低くなく、開業後5年以内に廃業する個人事業主は約50%という統計もあります。

しかし、失敗の多くは事前の準備不足や情報不足によるものです。開業前にしっかりと準備を整え、必要な手続きと知識を押さえておくことで、リスクを大幅に低減することができます。このページでは、個人事業主として失敗しない開業のための具体的な準備・手続き・心構えをわかりやすく解説します。

開業前に事業計画を立てる

事業計画書はなぜ必要か

「早く独立したい」という気持ちが先走り、事業計画を立てずに開業してしまう方は少なくありません。しかし、事業計画なしの開業は方向性が定まらず、資金が尽きたときに対処できないリスクがあります。

事業計画書は、自分の事業の内容・ターゲット顧客・価格設定・収支見通しを整理するためのツールです。融資を受ける際に必要というだけでなく、自分自身が事業の全体像を俯瞰し、問題点を事前に洗い出すためにも不可欠なものです。

損益シミュレーションを必ず行う

事業計画において特に重要なのが、収支(損益)のシミュレーションです。月間の想定売上・固定費・変動費・税金・社会保険料を積み上げて、「いくら売上があれば生活できるか」「損益分岐点はどこか」を明確にしましょう。

また、楽観シナリオだけでなく、売上が計画の50〜70%しか達成できなかった場合でも事業を継続できるかどうかをシミュレーションしておくことが大切です。最悪のケースを想定した準備が、廃業リスクを大きく下げます。

開業資金と生活防衛資金を確保する

必要な開業資金の目安

業種によって必要な開業資金は大きく異なりますが、在庫や設備投資が少ないサービス業・コンサルタント・フリーランスであれば、最低限のPC・通信環境・会計ソフト代程度で始めることも可能です。一方、飲食店・美容室などの実店舗を持つ業種では、内装・設備・初期在庫などで数百万円が必要になります。

開業資金が不足する場合は、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」を活用することも選択肢です。開業前・開業後間もない段階でも融資を受けられる制度であり、自己資金の10分の1以上を用意することが申込みの目安とされています。

生活費の6ヶ月〜1年分を貯めてから開業する

開業直後は売上が安定しないことがほとんどです。収入が少ない時期でも生活できる資金的余裕がなければ、焦りから安売りや無理な受注を続け、事業の質が低下する悪循環に陥ります。

最低でも生活費の6ヶ月分、可能であれば1年分を貯蓄してから開業することを強くおすすめします。資金的な余裕は、事業の判断を冷静に行うための土台です。

開業時に必要な手続きを確認する

税務署への開業届

個人事業主として事業を始める際、事業開始から1ヶ月以内に税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)を提出します。e-Taxを使えばオンラインで完結します。開業届の提出は無料で、記載内容も比較的シンプルです。

なお、屋号を設ける場合は開業届に記載します。屋号は必ずしも必要ではありませんが、ビジネス上の対外的なブランドとして機能します。銀行口座も屋号名義で開設できるため、プロとしての印象を高める効果があります。

青色申告承認申請書の提出

節税効果の高い青色申告を利用するためには、開業届と同時、またはその年の3月15日まで(新規開業の場合は開業から2ヶ月以内)に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。これを忘れると、最初の1年間は白色申告しかできなくなります。

青色申告では最大65万円の特別控除に加え、赤字の繰越控除・専従者給与の経費計上など、さまざまな節税メリットがあります。開業と同時に申請することを標準的な手順として押さえておきましょう。

社会保険・年金の切り替え

会社員から独立する場合、退職後14日以内に国民健康保険への加入手続きと国民年金への切り替え手続きが必要です。国民健康保険は市区町村の窓口、国民年金は年金事務所または市区町村の窓口で手続きを行います。手続きを忘れると未加入期間が生じ、後から保険料を遡って請求される場合があります。

開業後の経理・帳簿管理を仕組み化する

会計ソフトを最初から導入する

開業後の経理処理を手作業で行うことは、時間と労力の大きな無駄になります。「freee」「マネーフォワード クラウド」「弥生会計」などのクラウド会計ソフトを開業時から導入し、日々の収支を記録する習慣をつけましょう。

銀行口座やクレジットカードと連携すれば、取引データを自動で取り込めるため、帳簿作業の手間を大幅に削減できます。青色申告に必要な複式簿記の帳簿も、ソフトが自動で作成してくれます。

事業用口座と個人用口座を分ける

開業時に最初にやるべきことのひとつが、事業用の銀行口座を別に開設することです。個人用口座と混用していると、収支の把握が困難になり、経費の管理・確定申告の際に多大な手間が発生します。事業の入金・支払いをすべて事業用口座に集約することで、経理の正確性と効率が大幅に上がります。

専門家への相談を早めに行う

税務・法務・財務の専門知識は、事業を安定させる上で非常に重要です。開業後に問題が起きてから専門家に相談するのではなく、開業前・開業直後に税理士や中小企業診断士などの専門家に相談することで、事前に問題を回避できます。特に税務については、最初に正しい仕組みを作っておくことが、後の修正コストを大幅に下げます。

まつうら総研では、「これから開業する」という段階から、事業計画の策定・開業手続きの確認・節税の仕組みづくりまで、個人事業主の開業を全面的にサポートしています。「何から始めればいいかわからない」という方こそ、ぜひ早めにご相談ください。一緒に失敗しない開業の準備を整えましょう。

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