「個人事業主でも税理士が必要なの?」——確定申告の時期が近づくと、多くの個人事業主・フリーランスからこのような質問を受けます。結論から言えば、税理士への依頼は「必須ではない」ものの、事業規模・取引の複雑さ・本業への集中度によっては、依頼することで得られるメリットが費用をはるかに上回ることがあります。
「税理士費用がもったいない」と自分で確定申告を行い、本来受けられた節税策を見逃したり、申告誤りによる追徴課税を受けたりするケースも実際にあります。まつうら総研では、税理士への依頼を単なるコストではなく「投資」として捉えることをおすすめしています。
このページでは、税理士に依頼するメリット・費用相場・依頼を検討すべきタイミングを具体的に解説します。
税理士に依頼するメリット
①正確な確定申告と申告漏れの防止
税法は毎年改正があり、経費として認められる範囲・各種控除の要件・インボイス制度の対応など、正確に理解するには専門的な知識が必要です。個人事業主が自分で確定申告を行う場合、申告漏れや過誤が生じるリスクがあります。
申告誤りが税務署に指摘されると、本来の税額に加えて延滞税・加算税が課せられることがあります。税理士に依頼することで、こうしたリスクを大幅に軽減できます。
②節税対策の提案
税理士のもっとも大きな価値のひとつが、適法な節税策の提案です。個人事業主が活用できる節税手段には、青色申告特別控除・小規模企業共済・iDeCo・経費の適切な計上・家事按分など多くのものがあります。
しかし、これらを自分ですべて把握し、最適に組み合わせるには相当な知識と時間が必要です。税理士は個々の状況を踏まえた節税策を提案してくれるため、税理士費用を節税額が上回るケースは珍しくありません。
③本業への集中
確定申告の準備には、帳簿整理・領収書の仕分け・申告書の作成など、相当な時間と労力がかかります。特に初めて確定申告を行う方や、取引先が多い方は、申告作業に数十時間以上を費やすこともあります。
その時間を本業(売上を生む活動)に使えると考えると、税理士費用は十分に「元が取れる」投資と言えます。
④税務調査への対応
税務署から税務調査が入った場合、税理士が立会人として対応してくれます。一般的に、税理士が顧問についている事業者への税務調査は、顧問なしの事業者と比べて税務調査の頻度が低い傾向があると言われています(証拠はないものの、業界での経験則として)。税理士が帳簿を整備することで、適正な申告をしているという信頼につながります。
税理士に依頼する費用の相場
確定申告のみ(スポット依頼)
確定申告の申告書作成のみを依頼する場合の費用相場は以下の通りです。
・記帳代行なし(帳簿を自分で作成):3〜10万円程度
・記帳代行あり(年間分の仕訳から作成):10〜20万円程度
取引件数・事業規模・消費税申告の有無によって費用は変わります。
顧問契約(年間契約)
継続的に税務サポートを受ける顧問契約の場合、個人事業主の規模では年間費用の目安は以下の通りです。
・売上1,000万円未満:年間30〜50万円程度
・売上1,000万円〜3,000万円:年間50〜80万円程度
顧問契約では、確定申告だけでなく日々の税務相談・節税策の提案・消費税申告・必要に応じた資金調達サポートなども含まれることが多く、スポット依頼より総合的なサポートが受けられます。
税理士への依頼を検討すべきタイミング
以下の条件に当てはまる場合は、税理士への依頼を真剣に検討しましょう。
・売上が500万円を超えてきた
・取引先や経費の種類が多く、帳簿管理が煩雑になってきた
・消費税の課税事業者になった(またはなりそう)
・青色申告をしているが、節税を十分に活用できているか不安
・本業が忙しく、確定申告の作業に時間が取れない
・法人化を検討している
・税務調査への不安がある
逆に、売上が少ない開業初年度や、シンプルな取引しかない方は、クラウド会計ソフトを活用して自力で確定申告することも十分に可能です。
税理士と財務コンサルタントの使い分け
税理士は税務・申告の専門家ですが、事業の収益性改善・資金繰り・経営判断といった「財務・経営の視点」はやや弱い面があります。まつうら総研のような財務トレーナー・経営コンサルタントは、税理士とは異なる角度から、事業の利益を最大化するための経営サポートを行います。
「税理士に確定申告は頼んでいるが、経営・財務の相談ができていない」という方には、税理士とコンサルタントを組み合わせたサポート体制が最も効果的です。
まつうら総研では、税務対応の基本から財務戦略・経営改善まで、個人事業主の方々が抱えるさまざまな疑問・課題にお応えしています。「税理士に頼むべきか判断したい」「節税できているか確認したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。