開業届の出し方

個人事業主としてスムーズにスタートするための開業手続きを解説します。

開業届の出し方

独立して個人事業主として活動を始めるとき、最初にやるべき手続きが「開業届の提出」です。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、税務署に提出することで個人事業主として正式に認められます。

「開業届を出さないと事業ができないの?」と思う方もいるかもしれませんが、実際には開業届を提出しなくても事業活動自体は行えます。しかし、青色申告による節税を受けるためには開業届の提出が前提条件です。これから個人事業主として活動するなら、必ず提出しておきましょう。

開業届を提出するメリット

開業届を提出することには、いくつかの重要なメリットがあります。

青色申告を利用できるようになる

最も大きなメリットが、青色申告の利用です。青色申告では最大65万円の特別控除が受けられるため、年間の節税額は大きくなります。所得税率が20%の場合、65万円×20%=13万円の節税になります。青色申告をするためには、開業届の提出とともに「青色申告承認申請書」の提出が必要です。

また、青色申告では赤字を3年間繰り越せる「純損失の繰越控除」も使えます。開業初年度に赤字が出た場合でも、翌年以降の黒字と相殺できるため、長期的な節税効果があります。

社会的な信用につながる

開業届を提出することで、開業日が公式に記録されます。金融機関への融資申請や、一部の助成金・補助金の申請時に開業の事実を証明できます。また、フリーランスとしてクライアントと契約する際に、きちんと事業届出をしている個人事業主であることを示せます。

屋号での口座開設が可能になる

開業届に屋号を記載することで、屋号名義の銀行口座を開設できるようになります。個人名ではなく屋号で口座を持つことで、ビジネスとしての信頼感が増し、取引先への請求書発行もスムーズになります。

開業届の提出先と提出期限

提出先は税務署

開業届の提出先は、事業所(または自宅)の所在地を管轄する税務署です。税務署の窓口に持参するか、郵送での提出が可能です。また、国税庁の「e-Tax」を利用してオンラインで提出することもできます。

e-Taxを使う場合は、マイナンバーカードとICカードリーダー(またはスマートフォン)が必要です。近年はe-Taxでの提出が普及しており、24時間いつでも手続きできる利便性があります。

提出期限は事業開始から1ヶ月以内

開業届の提出期限は、事業開始日から1ヶ月以内とされています。ただし、期限を過ぎても罰則はなく、後から提出することも可能です。ただし、青色申告承認申請書には提出期限があるため(その年の3月15日まで、または開業から2ヶ月以内)、なるべく早めに手続きを進めることをおすすめします。

開業届の書き方

記載する主な項目

開業届に記載する主な項目は以下の通りです。

・提出先の税務署名
・提出日
・納税地(住所または事業所の所在地)
・氏名・生年月日・マイナンバー
・職業(業種を具体的に記載)
・屋号(任意)
・開業・廃業等日(事業を開始した日)
・開業・廃業の区分(「開業」に○)
・事業の概要(簡潔に記載)
・給与等の支払い状況(従業員を雇う場合)

屋号の決め方

屋号は必須ではありませんが、ビジネスネームとして活用できるため、記載しておくことをおすすめします。屋号に使える文字に制限はほとんどなく、漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・数字が使用可能です。

ただし、「株式会社」「合同会社」など法人を連想させる文字は使えません。また、他の事業者が商標登録している名称の使用は避けましょう。

青色申告承認申請書の同時提出

必ず同時に提出しよう

開業届を提出する際は、必ず「所得税の青色申告承認申請書」も同時に提出しましょう。この申請書を提出しないと、開業初年度から青色申告の恩恵を受けられません。

青色申告承認申請書の提出期限は、その年の3月15日まで(1月16日以後に開業した場合は、開業から2ヶ月以内)です。例えば、4月1日に開業した場合は6月1日までに提出が必要です。この期限を過ぎると、その年は青色申告ができず、白色申告のみとなります。

同時に提出できる書類一覧

開業時にまとめて提出しておくと良い書類は以下の通りです。

・個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)
・所得税の青色申告承認申請書
・給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(従業員を雇う場合)
・源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(従業員が9人以下の場合)

これらはすべて国税庁のWebサイトからダウンロードできます。

提出後の確認事項

開業届を窓口で提出した場合は、控えに受付印をもらいましょう。控えは確定申告や助成金申請時に必要になることがあります。郵送の場合は返信用封筒を同封しておくと、受付印のある控えが返送されます。

e-Taxで提出した場合は、受信通知をダウンロードして保管しておきましょう。

まつうら総研では、開業届の提出から確定申告・節税まで、個人事業主としてスムーズにスタートするためのサポートを行っています。「何から始めればいいかわからない」という方は、ぜひご相談ください。

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