不動産相続の注意点

不動産を含む相続で失敗しないために知っておくべき重要ポイントを解説します。

不動産相続の注意点

不動産は多くの家庭にとって最も大きな相続財産の一つです。現金・預金と異なり、不動産には複雑な評価方法・登記手続き・税務上の特例・売却時の課税など、多くの注意点があります。不動産相続の知識がないまま手続きを進めると、多額の税負担・家族間トラブル・法律上の問題が発生することがあります。

まつうら総研は、財務トレーナー・中小企業経営コンサルタントとして、不動産を含む相続案件に数多く携わってきました。このページでは、不動産相続の注意点を分かりやすく整理してお伝えします。

不動産の相続税評価の仕組み

土地の評価方法

相続税における土地の評価方法は主に2つです。市街地の土地には「路線価方式」、郊外・農村部には「倍率方式」が適用されます。

路線価方式では、国税庁が毎年7月に公表する路線価(1㎡あたりの価格)に土地面積を乗じ、さらに奥行補正・不整形地補正・間口補正・がけ地補正・騒音補正などの各種補正率を適用して評価額を算出します。これらの補正を正確に適用することで、評価額を適正に(合法的に低く)算出できます。

路線価は一般に時価の80%程度を目安として設定されています。そのため不動産で財産を保有することは現金保有と比べて相続税の節税効果があります。ただし、2022年の最高裁判決で「路線価と実勢価格に著しい乖離がある場合は時価で評価される」ことが明確化されたため、過度な節税スキームには注意が必要です。

建物の評価方法

相続税における建物の評価額は、固定資産税評価額と同額です。固定資産税評価額は、建物の再建築費用・経過年数・構造などを考慮して市区町村が算定するものです。一般に時価(実際の市場価格)より低く設定されていることが多く、現金より不動産で保有するメリットの一つとなっています。

賃貸用建物(アパート・マンションなど)の場合は、自己使用の建物より低い評価額になります。固定資産税評価額 × (1 - 借家権割合30% × 賃貸割合)で評価されます。

2024年から義務化された相続登記

2024年4月1日から、相続による不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記(所有権移転登記)を行うことが法律で義務化されました。正当な理由なく期限内に登記を怠った場合は10万円以下の過料(行政上のペナルティ)が科されます。また、過去に相続した不動産でまだ登記していないものも、2027年3月31日までに登記が必要です。

これまで相続登記は任意でしたが、放置された不動産が増加し、土地の管理・活用・開発が妨げられる問題が深刻化したことから義務化されました。相続登記をしないと、不動産の売却や担保設定ができないほか、他の相続人に持分を売却されるリスクもあります。相続発生後は早めに司法書士に相談し、登記手続きを進めることが重要です。

不動産の共有相続が引き起こす問題

「平等に分けたい」という気持ちから、相続した不動産を複数の相続人で共有にするケースがあります。しかし、不動産の共有は将来大きな問題を招く可能性があります。

共有不動産は、売却・改修・賃貸・担保設定などの行為に全員(または過半数)の同意が必要です。共有者の一人が連絡不通になったり、意見が合わなかったりすると、不動産を活用も処分もできない状態になります。また、共有者が死亡すると、その持分がさらに複数の相続人に分散し、権利関係がどんどん複雑化します。

不動産は可能な限り一人の相続人が単独で取得し、他の相続人には代償金(現金)を支払う「代償分割」の形で解決することが望ましいです。代償金の原資が不足する場合は、生前から生命保険を活用して準備しておくことが有効です。

小規模宅地等の特例の活用

特例の概要と効果

小規模宅地等の特例は、被相続人が居住・事業・賃貸に使っていた土地について、要件を満たせば評価額を大幅に減額できる制度です。特定居住用宅地等(自宅)は330㎡まで80%減額、特定事業用宅地等(事業用土地)は400㎡まで80%減額、貸付事業用宅地等(賃貸用土地)は200㎡まで50%減額されます。

例えば、路線価で5,000万円と評価される自宅の土地が、この特例によって1,000万円の評価になります。これは相続税に換算すると、数百万円から数千万円の節税効果になります。

特例の要件と注意点

小規模宅地等の特例を適用するには細かい要件があります。自宅(特定居住用宅地等)の場合、配偶者が相続する場合は無条件で適用できますが、同居の親族が相続する場合は「申告期限まで引き続きその宅地を保有し、かつ居住すること」が必要です。

また、「家なき子特例」(被相続人と同居していない子が特例を受ける制度)は2018年の改正で要件が厳格化されており、持家がないことの確認など細かい条件があります。特例の適用可否は早めに税理士に確認することをおすすめします。

不動産を相続後に売却する場合の税金

相続した不動産を売却した場合、譲渡所得税(所得税・住民税)が発生することがあります。売却価格から取得費・譲渡費用を差し引いた利益(譲渡所得)に対して課税されます。

相続した不動産の取得費は、原則として被相続人の取得費を引き継ぎます。被相続人が何十年も前に低い価格で取得した不動産の場合、現在の売却価格との差額が大きく、多額の譲渡所得税が発生する可能性があります。

なお、相続した自宅(居住用財産)を売却する場合は「3,000万円特別控除」や「相続財産を譲渡した場合の特例(取得費加算の特例)」などの優遇措置があります。取得費加算の特例は、相続税として支払った金額の一部を取得費に加算できる制度で、相続発生後3年10ヶ月以内に売却することが要件です。これらの特例は期限内の売却と申告が必要なため、早めに税理士に確認しましょう。

まつうら総研にご相談ください

不動産相続は、評価・登記・遺産分割・特例適用・売却時の税金など、多くの専門的な問題が絡み合っています。一つひとつの判断が税負担・将来の活用可能性・家族関係に大きな影響を与えます。

まつうら総研では、財務トレーナー・中小企業経営コンサルタントとして、不動産を含む相続の総合的なサポートをご提供しています。「相続した不動産をどう扱えばよいかわからない」「不動産の相続税評価を最適化したい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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