相続対策のタイミング

相続対策に「早すぎる」はありません。今始めることの意味を解説します。

相続対策のタイミング

「相続対策はまだ先でいい」「元気なうちに相続の話なんて縁起が悪い」という考え方は根強くありますが、これが相続の最大の失敗を招く原因の一つです。相続対策は、時間が長ければ長いほど多くの選択肢を取ることができます。逆に時間がなければ、効果的な対策を打つ前に相続が発生してしまいます。

まつうら総研は財務トレーナーとして、「相続対策に早すぎることはない」と考えています。このページでは、相続対策を始める最適なタイミングと、年代別・状況別の対策ポイントを解説します。

なぜ早期着手が重要なのか

生前贈与の効果は時間に比例する

相続税の節税で最も基本的な手法が生前贈与です。年間110万円の贈与税基礎控除を活用した暦年贈与は、開始から10年で1,100万円(子1人の場合)の財産を無税で移転できます。子が2人いれば2,200万円、孫も含めれば更に多くなります。

しかし2024年の税制改正により、相続開始前7年以内の贈与は相続財産に加算されることになりました(段階的に適用)。このため、今すぐ贈与を始めても、7年以内に相続が発生すれば加算対象となります。言い換えれば、相続発生から7年以上前に開始した贈与のみが確実に節税効果を発揮します。これが「早期着手が重要」という最大の理由です。

判断能力があるうちに意思表示を

遺言書の作成・生前贈与・信託の設定・家族会議など、多くの相続対策には被相続人の「意思能力」が必要です。認知症が進行した後では、これらの法律行為を有効に行うことができません。

認知症の発症率は70代後半から急上昇します。元気で判断能力がある時期に相続対策を完了させることが、選択肢を最大限確保する上で重要です。「まだ大丈夫」と思っているうちに対策を進めることが、「もう遅い」を防ぐ唯一の方法です。

年代別の相続対策ポイント

40〜50代:財産の把握と基盤づくり

40〜50代は、まだ相続が差し迫った問題ではないと感じる方が多い年代です。しかし、この時期から始めることで最も多くの時間的余裕を持って対策を進められます。

この時期にすべきことは、まず自分(将来被相続人となる自分)の財産の全体像を把握することです。預貯金・不動産・有価証券・保険・借入金を一覧化し、現時点での相続税額を試算します。また、同時に親(将来被相続人となる親)の財産状況・意思についても把握し、必要であれば親への相続対策支援を始めます。

経営者であれば、後継者の有無・自社株の評価額・事業承継計画の方向性についてもこの時期から検討を始めることが重要です。

60代:本格的な対策の実行期

60代は、相続対策を本格的に実行する最重要期です。贈与税の相続時精算課税制度(60歳以上から利用可)の活用開始、暦年贈与の継続・拡大、遺言書の作成・見直しをこの時期に進めましょう。

また、収益不動産の整理・組み換え・法人設立による資産管理会社の設立なども、体力・判断力がある60代のうちに進めるべきです。経営者であれば、事業承継計画を具体化し、後継者への自社株の移転(贈与・売買)を開始します。事業承継税制の活用も視野に入れ、税理士・コンサルタントと密に連携を取る時期です。

70代以降:仕上げと遺言書の最終確認

70代以降は、これまで進めてきた対策の仕上げと、状況変化への対応が主な課題となります。家族構成の変化(子の結婚・孫の誕生・離婚など)に合わせた遺言書の見直し・受取人の更新を行います。

また、認知症対策として「家族信託」の設定も重要です。家族信託を活用することで、認知症になった後も、信頼できる家族が財産管理・処分を行える体制を整えられます。金融機関の口座が凍結されるリスクを回避できるため、特に資産規模が大きい方・経営者の方には有効な対策です。

特定のタイミングで対策が必要なケース

大きな財産を取得したとき

不動産の相続・売却益の発生・大きな退職金の受け取りなど、財産規模が急増したタイミングは相続対策を見直す絶好の機会です。財産が増えれば相続税額も増加しますが、対策を早期に始めれば財産の移転・評価の引き下げに取り組む時間が生まれます。

経営者の業績が好調なとき

中小企業の自社株は、業績が良いほど評価額が高くなります(類似業種比準方式での評価が上がる)。業績好調時には自社株の評価額も高く、多額の贈与税・相続税が発生しやすい状態です。

業績が好調なうちに対策を打つことで、評価額を下げる対策(純資産の圧縮・退職金の積み立てなど)が取りやすくなります。逆に業績が下がった後や相続発生後では打てる手が限られます。

家族の状況が変化したとき

子の結婚・離婚・孫の誕生・家族の死亡など、家族構成が変化したタイミングで遺言書・保険・贈与計画を見直すことが重要です。特に遺言書は、作成時点での家族関係を前提に書かれているため、家族構成の変化に合わせて定期的に更新することをおすすめします。

まつうら総研にご相談ください

相続対策は、どの年代から始めても遅すぎることはありませんが、早ければ早いほど選択肢が広がります。まつうら総研では、財務トレーナー・中小企業経営コンサルタントとして、皆さまの現在の状況・年齢・財産構成に合わせた最適な相続対策のタイミングとプランをご提案します。

「何から始めればよいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。一度のご相談が、何十年後かの家族を守ることにつながります。

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