相続税の計算方法

ステップごとに相続税の計算手順を丁寧に解説します。

相続税の計算方法

「相続税がいくらかかるのか」は、多くの方が最も気になる点でしょう。しかし相続税の計算は、一般の方が独力で正確に行うのは難しく、財産の評価・控除の適用・按分計算など、複数のステップを経て初めて正確な税額が算出されます。

まつうら総研では、財務・税務の専門家の立場から、相続税の計算の流れを体系的に解説します。計算の仕組みを理解しておくことで、節税対策の効果を実感しやすくなり、早期対策のモチベーションにもつながります。

相続税計算の全体的なステップ

相続税の計算は、大きく以下のステップで行われます。

①相続財産の評価(財産の種類ごとに評価額を算出)
②課税価格の計算(相続財産+みなし相続財産+生前贈与加算額-債務・葬式費用)
③課税遺産総額の算出(課税価格の合計額-基礎控除額)
④相続税の総額の計算(法定相続分で按分して税率適用→合計)
⑤各相続人の相続税額の算出(総額を実際の取得割合で按分)
⑥税額控除の適用(配偶者控除・未成年者控除など)

この流れを一つひとつ確認していきましょう。

ステップ①:相続財産の評価

財産の種類ごとの評価方法

相続財産の評価は「相続税評価額」で行います。財産の種類によって評価方法が異なります。

・現金・預貯金:そのままの金額(残高)
・上場株式:相続開始日の終値等(4つの方法のうち最も低い額)
・不動産(土地):路線価方式または倍率方式
・不動産(建物):固定資産税評価額
・非上場株式(自社株):類似業種比準価額方式・純資産価額方式など

特に不動産と非上場株式の評価は複雑で、専門的な知識が必要です。路線価が公示地価の約80%であるため、不動産の相続税評価額は時価より低くなるのが一般的です。この特性を活かした節税対策も存在します。

ステップ②:課税価格の計算

課税価格の計算式

各相続人の課税価格は、以下の計算式で求めます。

課税価格=取得した相続財産の評価額+みなし相続財産(生命保険金・退職金など)+相続開始前の生前贈与加算額-債務・葬式費用

生命保険金・退職金については「500万円×法定相続人の数」が非課税となるため、その非課税額を差し引いた金額を課税価格に加算します。葬式費用は控除できますが、初七日費用・49日費用・墓地購入費などは控除できません。

ステップ③:課税遺産総額の算出

全相続人の課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いたものが「課税遺産総額」です。

課税遺産総額=課税価格の合計額-基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)

例えば、課税価格の合計が1億円で法定相続人が3人の場合:
基礎控除額=3,000万円+600万円×3=4,800万円
課税遺産総額=1億円-4,800万円=5,200万円

ステップ④:相続税の総額の計算

法定相続分で按分して税率を適用

相続税の総額は、実際の遺産分割の割合ではなく、法定相続分で按分した金額に税率を適用して算出します。これは相続人間の分割の仕方によって税額が変わらないようにするためです。

先ほどの例(課税遺産総額5,200万円、法定相続人は配偶者・子2人)で計算すると:
・配偶者の法定相続分:5,200万円×1/2=2,600万円 税率15%(速算控除50万円)→税額340万円
・子1人あたりの法定相続分:5,200万円×1/4=1,300万円 税率15%(速算控除50万円)→税額145万円
・相続税の総額=340万円+145万円×2=630万円

ステップ⑤⑥:各相続人の税額算出と控除適用

実際の取得割合で按分

相続税の総額を、各相続人が実際に取得した財産の割合(取得割合)で按分し、各自の相続税額を算出します。

例えば、配偶者が60%・子2人がそれぞれ20%ずつ取得する場合:
・配偶者:630万円×60%=378万円
・子1人あたり:630万円×20%=126万円

税額控除の適用

各相続人の算出税額から、適用できる税額控除を差し引いた金額が実際の納税額です。主な税額控除として以下があります。

・配偶者の税額軽減:配偶者が1億6,000万円または法定相続分相当額まで取得した場合は相続税がゼロになる
・贈与税額控除:相続財産に加算された生前贈与について、すでに支払った贈与税を控除
・未成年者控除:相続人が未成年の場合
・障害者控除:相続人が障害者の場合

先ほどの例では、配偶者が受け取った財産(1億円×60%=6,000万円)は1億6,000万円以下のため、配偶者の税額軽減により配偶者の相続税はゼロとなります。子2人はそれぞれ126万円を納付します。

自分で計算することの難しさ

相続税の計算は、不動産・非上場株式などの評価・各種特例の適用可否・生前贈与の加算計算など、専門的な判断が求められます。また、誤った計算で申告した場合は過少申告加算税や延滞税が発生するリスクがあります。

また、小規模宅地等の特例は申告書への記載が適用要件であるため、申告手続き自体が非常に重要です。相続税の申告は必ず税理士に依頼することをまつうら総研は推奨しています。専門家のサポートにより、適切な節税効果を最大限に引き出すことができます。相続税の計算や対策についてお気軽にご相談ください。

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