「補助金」と「助成金」は、どちらも返済不要の公的資金ですが、異なる制度です。両者を混同してしまうと、申請時期を誤ったり、自社に合った制度を見落としたりするリスクがあります。
経営者として両者の違いを正確に理解し、自社の状況や取り組みに合った制度を適切に選ぶことが、資金調達を成功させる上で重要です。このページでは、補助金と助成金の違いを多角的に比較・解説します。
補助金と助成金の主な違い
所管省庁・財源の違い
補助金は主に経済産業省・中小企業庁・国土交通省などが所管し、国の一般財源(税金)を財源としています。政策目的(産業振興・技術革新・地域活性化など)の達成のために設けられます。
助成金は主に厚生労働省が所管し、雇用保険料を財源としています。雇用促進・人材育成・労働環境整備などを目的としています。雇用保険に加入していない事業主は、厚生労働省の助成金の対象外となります。
審査・採択の仕組みの違い
補助金は、申請書類の内容を審査した上で採択・不採択が決まります。申請しても必ず受給できるわけではなく、採択率は制度によって異なります(20〜60%程度が一般的)。同一の申請期間内に多くの申請者が競い合う競争的な制度です。
助成金は、要件(雇用保険への加入・一定の雇用条件の整備・特定の取り組みの実施など)を満たせば、原則として申請した事業者全員が受給できます。先着順や予算上限に達した場合は受給できないこともありますが、競争的審査ではありません。
申請タイミングの違い
補助金は公募期間が設けられており、その期間中に申請する必要があります。公募期間は年に数回設定されていることが多く、「公募が始まったら申請する」という形になります。
助成金は随時受付が一般的ですが、制度によっては申請期限や計画届の提出期限が設けられています。特に注意が必要なのは、「取り組みを実施する前に計画届を提出しなければならない」という制度です。後から申請しようとしても受け付けられない場合があります。
補助金と助成金の使い方の違い
補助金の主な活用シーン
・設備・機械の導入(ものづくり補助金)
・ITシステムの構築・導入(IT導入補助金)
・新事業・新分野への進出(事業再構築補助金)
・販路開拓・マーケティング施策(小規模事業者持続化補助金)
設備投資・システム導入・新規事業展開など、「事業を前進させるための投資」に対して補助金が活用されます。
助成金の主な活用シーン
・非正規社員の正規転換(キャリアアップ助成金)
・従業員の研修・スキルアップ(人材開発支援助成金)
・雇用の維持(雇用調整助成金)
・育児・介護と仕事の両立支援(両立支援等助成金)
人材採用・育成・労働環境整備など、「人に関わる取り組み」に対して助成金が活用されます。
両制度を組み合わせて最大限活用する
補助金と助成金は排他的な関係ではなく、組み合わせて活用することができます。例えば、新しい設備・システムを補助金で導入しながら、その運用に携わる従業員の研修費用を助成金でカバーするというケースが考えられます。
重要なのは、自社の経営課題・事業計画と照らし合わせて、どの制度が最も有効かを判断することです。まつうら総研では、補助金・助成金の選定から申請サポートまで対応しています。「自社に合った補助金・助成金を探したい」という方は、ぜひご相談ください。