キャッシュフローが悪化すると、売上・利益が出ていても支払いができず、最悪の場合倒産に至ります。逆に、キャッシュフローが良好であれば、事業の成長に必要な投資ができ、不測の事態にも対応できる余裕が生まれます。
キャッシュフロー改善は「今日できること」から始められます。このページでは、即効性のある施策から中長期的な改善策まで、具体的なキャッシュフロー改善方法を解説します。
①売掛金の回収を早める
請求書の早期発行
売上が発生したら、できるだけ早く請求書を発行しましょう。締め日を待たずに随時請求できる取引先には、その都度請求する方法も有効です。請求書の発行が1週間早まるだけで、入金も1週間早まります。
支払サイトの短縮交渉
取引先との契約条件を見直し、支払サイトを短縮する交渉を行います。「月末締め翌月末払い」から「月末締め翌月15日払い」に変えるだけでも、15日分の資金繰り改善効果があります。新規取引先との契約時には、有利な支払条件を最初から設定することを心がけましょう。
売掛金の回収管理の強化
支払期限を過ぎた売掛金は、早期に督促を行います。入金予定日に入金がなければ即日連絡する体制を整えましょう。売掛金の滞留は資金繰りを悪化させるだけでなく、取引先の経営悪化のサインである可能性もあります。
②買掛金の支払いを最適化する
支払サイトの延長交渉
仕入先との取引条件を見直し、支払サイトを延長する交渉を行います。自社の支払いを遅らせることで、手元に現金を置いておける期間が延びます。ただし、長年の良好な関係を損なわない範囲で、丁寧に交渉することが大切です。
早期支払割引の活用
逆に、手元に余裕があるときに早期支払いを行い、仕入先から割引を受ける方法も有効です。1〜2%の早期支払割引でも、年換算すると相当な節約効果があります。
③在庫を適正化する
過剰在庫は「眠っている現金」です。在庫を削減することで、仕入れに費やした現金を回収できます。
・発注点・発注量の見直しで過剰発注を防ぐ
・死に筋商品・長期滞留在庫を処分(値引き販売・廃棄)する
・売れ筋と死に筋の分析を定期的に行う
・JIT(ジャストインタイム)仕入れの導入を検討する
在庫削減は即効性が高く、キャッシュフロー改善の優先度の高い施策です。
④固定費の見直しと削減
固定費は売上に関わらず毎月発生するコストです。以下の観点で見直しを行いましょう。
・賃貸物件:移転・縮小・テレワーク導入による削減
・保険料:補償内容を見直して過剰な保険を解約
・リース費用:不要な機器・設備のリース終了後に更新しない
・通信費:プランの見直し・格安SIMへの移行
・サブスクリプション:利用頻度の低いサービスを解約
固定費の削減は利益改善と同時にキャッシュフロー改善にも直結します。
⑤融資枠の事前確保と活用
キャッシュフロー改善の中長期的な施策として、余裕があるときに融資枠を確保しておくことが重要です。当座貸越契約・コミットメントライン・カードローン(法人向け)などを活用することで、必要なときにすぐに資金を調達できる環境を整えておきましょう。
「資金が足りなくなってから融資を申請する」では、審査が通りにくく時間もかかります。経営が好調なときこそ、金融機関との関係を深め、融資枠を設定しておくことが重要です。
⑥ファクタリングの活用
急を要する資金ニーズには、ファクタリング(売掛金の早期現金化)も有効な選択肢です。売掛金をファクタリング会社に売却することで、通常2〜3日以内に資金化できます。
ただし手数料コストが発生するため、緊急時のオプションとして位置づけ、常態化しないよう注意が必要です。
まつうら総研では、キャッシュフロー改善のためのコンサルティングを提供しています。現状の資金繰りを分析し、自社の状況に合った改善策を提案します。「毎月資金が不足しがちで困っている」「改善策を相談したい」という方は、ぜひご相談ください。