人を雇うときの手続き

採用から入社初日までに会社が行うべき手続きを全て解説します。

人を雇うときの手続き

従業員を初めて雇用するとき、多くの中小企業経営者は「何から始めればいいのか」と戸惑います。雇用に伴う手続きは、ハローワーク・年金事務所・労働基準監督署など複数の行政機関に対して行う必要があり、期限も定められています。

本記事では、採用が決まった時点からすべき手続きを時系列で整理し、各手続きの内容・提出期限・提出先・必要書類を解説します。

採用決定後にすること

労働条件の明示

採用が決まったら、まず労働条件を明示しなければなりません。労働基準法により、雇入れ時には書面(または電磁的方法)で労働条件を明示することが義務付けられています。

明示すべき事項は、労働契約の期間・就業の場所・従事する業務の内容・始業・終業の時刻・休憩時間・休日・休暇・賃金の額・計算・支払方法・退職に関する事項などです。口頭だけでは不十分であり、書面(労働条件通知書または雇用契約書)の交付が必要です。

入社書類の準備・収集

入社日までに従業員から収集が必要な書類があります。主なものを以下に示します。

・年金手帳(または基礎年金番号確認書類)
・雇用保険被保険者証(前職がある場合)
・マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード
・給与振込先の口座情報
・扶養親族がいる場合は扶養控除等申告書
・住民票記載事項証明書(本人確認)
・健康診断書(業種によっては入社前に取得が必要)

社会保険の手続き(年金事務所)

社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入させる必要がある従業員については、入社から5日以内に年金事務所へ「被保険者資格取得届」を提出します。

加入要件は、週30時間以上(正社員の4分の3以上)働く従業員です(2024年10月以降、従業員51人以上の企業では週20時間以上等の基準も適用)。必要書類は被保険者資格取得届のみですが、マイナンバーの記載が必要です。

手続き完了後、従業員に健康保険証が交付されます(マイナ保険証への移行が進んでいますが、紙の保険証も一定期間発行されています)。

労働保険の手続き(ハローワーク・労基署)

雇用保険の加入手続き(ハローワーク)

雇用保険の被保険者となる従業員を雇用した場合、翌月10日までにハローワークへ「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。

加入要件は、週20時間以上・31日以上の雇用見込みがある従業員です。パートタイマーでも条件を満たせば加入対象となります。提出後、「雇用保険被保険者証」と「雇用保険資格取得等確認通知書(被保険者通知用)」が発行されます。

労働保険の新規加入(初めて雇用する場合)

初めて従業員を雇用する場合、まず「労働保険 保険関係成立届」を労働基準監督署に提出して労働保険の適用事業所として登録します。その後、「概算保険料申告書」を提出して1年分の概算保険料を納付します。

労働保険は労災保険と雇用保険を合わせたものです。従業員を1人でも雇用したら加入義務が発生します。加入手続きをしていないと、労働災害が発生した際に会社が全額を負担するリスクがあります。

入社初日の対応

オリエンテーションの実施

入社初日には、会社のルール(就業規則・社内規程)の説明・業務内容の説明・職場の紹介などのオリエンテーションを行います。特に就業規則の内容は、入社時に従業員に対して周知することが重要です。

就業規則の周知義務(労働基準法第106条)に基づき、職場の見やすい場所への掲示・書面の交付・イントラネットへの掲載などの方法で従業員に周知します。

必要書類の相互確認

入社書類の提出状況を確認し、未提出のものがあれば速やかに提出を求めます。特に扶養控除等申告書は、その月の給与から適用するために早めに収集することが重要です。

また、マイナンバーの取得は社会保険・年末調整の手続きに必要です。マイナンバーの管理は個人情報保護法の観点からも適切に行う必要があります。

入社後の定期的な手続き

入社後も、定期的に発生する手続きがあります。社会保険料の標準報酬月額の定時決定(7月)・算定基礎届の提出(7月10日まで)・雇用保険料の確定精算(年度更新、6月1日〜7月10日)などがあります。

また、従業員の結婚・出産・扶養家族の変更があった際には、その都度届出が必要です。育児休業・介護休業の取得申請にも適切に対応する必要があります。

雇用に関する手続きは複雑で、抜け漏れが生じやすいです。社会保険労務士に顧問として相談できる体制を整えておくことが、安定した雇用管理につながります。

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