事業目的の書き方

定款の事業目的は会社の活動範囲を決める重要な記載事項。正しい書き方を解説します。

事業目的の書き方

会社の定款を作成する際、必ず記載しなければならない「絶対的記載事項」の一つが「事業目的」です。事業目的は、会社が行うことのできる事業の範囲を定める重要な項目であり、その内容は会社の許認可取得・融資審査・取引先との信頼関係に大きく影響します。

「とりあえず広く書けばいい」と考える方もいますが、それは必ずしも正解ではありません。本記事では、事業目的の正しい書き方と注意点を専門家の視点で解説します。

事業目的が重要な理由

許認可取得に直結する

特定の業種では、許認可の取得要件として定款の事業目的に該当する記載が必要です。例えば、建設業許可を取得するためには「建設工事の請負及び施工に関する業務」のような記載が必要です。

許認可が必要な事業を行う場合、事業目的が適切に記載されていないと許認可を取得できず、営業を開始できない事態になります。設立前に必要な許認可と事業目的の関係を確認しておくことが不可欠です。

融資審査・法人口座開設に影響する

銀行や日本政策金融公庫は、融資審査の際に会社の登記事項(事業目的を含む)を確認します。事業目的が実際の事業と一致していること、またその事業に収益性があることが審査で評価されます。

曖昧すぎる表現や実態のない目的が並んでいると、「何をやっている会社かわからない」として審査に悪影響を与える可能性があります。

事業目的の書き方のルール

①具体性を持たせる

事業目的はあいまいすぎず、具体的に記載することが重要です。「コンサルタント業」だけでは何のコンサルタントかわかりません。「経営コンサルタント業」「財務コンサルタント業」のように、具体的な内容を明記しましょう。

ただし、具体的すぎると事業の幅が狭まり、将来の事業拡大時に定款変更が必要になります。「○○に関する業務の一切」のような表現でやや幅を持たせることが実務上よく使われます。

②適法性の確認

事業目的は法律に違反する内容を記載することはできません。公序良俗に反するもの、法律で禁止されているもの、免許・許認可なく行えない事業を無許可で行うような記載は、公証役場での認証が受けられません。

③「前各号に付帯する一切の業務」を加える

事業目的の最後に「前各号に付帯する一切の業務」または「前各号に関連する一切の業務」という一文を加えることが一般的です。この一文を加えることで、列挙した事業に関連する業務を幅広く行えるようになります。

事業目的の文例

ITサービス・システム開発の場合

・ソフトウェアの企画、開発、販売及び保守に関する業務
・コンピュータシステムの設計、構築及びコンサルタント業務
・インターネットを利用した情報提供サービス業務
・ウェブサイトの企画、制作及び運営業務
・前各号に付帯する一切の業務

コンサルティング・経営支援の場合

・経営コンサルタント業及び経営改善に関するアドバイザリー業務
・財務・会計に関するコンサルタント及び教育研修業務
・企業の経営戦略立案支援及び事業再構築支援業務
・セミナー、研修及び講演会の企画、運営及び開催
・前各号に付帯する一切の業務

飲食業の場合

・飲食店の経営及び飲食物の販売
・食料品及び飲料品の製造、加工、販売及び輸出入
・飲食店舗のプロデュース及びフランチャイズ事業
・前各号に付帯する一切の業務

事業目的の変更方法

事業が拡大・変化した場合、事業目的を追加・変更することができます。株式会社の場合は株主総会の特別決議(議決権の2/3以上の賛成)が必要で、変更後は法務局への変更登記(費用3万円)が必要です。

事業目的の変更は可能ですが、手間とコストがかかるため、設立時に将来の事業拡大を見越した事業目的を設定しておくことが望ましいです。ただし、あまりに多くの目的を列挙すると「何をやっている会社か」がわかりにくくなるため、バランスが重要です。

まつうら総研へのご相談

「定款の事業目的をどう書けばいいかわからない」「許認可が必要な事業の目的をどう記載すべきか」という方は、まつうら総研にご相談ください。財務トレーナー・経営コンサルタントとして、事業計画と整合性のある定款設計を総合的にサポートします。

定款の事業目的は、会社の将来を方向付ける重要な記載事項です。専門家のアドバイスを受けながら、最適な事業目的を設定しましょう。

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